住宅に被害を及ぼす害虫の中で最も危険なのはシロアリによる被害でしょう。
地中にいるシロアリは蟻道と呼ばれる土のトンネルを作り、基礎部分から家屋へ侵入します。
日本で被害の多いシロアリの種類はヤマトシロアリとイエシロアリですが、侵入経路は変わらないようです。
厳しい自然環境の中ではシロアリ対策を施していない住宅の基礎部分は、シロアリにとって餌までの安全な玄関も同然です。
シロアリを住宅へ侵入させないためには、基礎部分への正しい対策を行うことが重要となります。
今回は何回かに分け、ベタ基礎と布基礎を比較しながら構造についてご紹介いたします。
ベタ基礎の構造とシロアリ被害
▶︎ベタ基礎の特徴
ベタ基礎とは、建物を支える基礎の内部一面が鉄筋コンクリートで覆われている基礎のことです。
▶︎メリット
建物の重さを鉄筋コンクリートの面ですべて受けるため、
建物が傾きにくく不同沈下に強い耐震性や強度が大変優れた基礎となっています。
そのため、重い建物を建てる場合や地盤が弱い場所ではベタ基礎が採用されることが多いくなっています。
その他にも地面からの湿気や熱を全面的にカットする効果があり、
カビや余分な熱の発生を防ぎます。
ベタ基礎は、過ごしやすく寿命の長い建築物を建てられると言われています。
▶︎デメリット
地面と完全に遮断されているわけではないのでシロアリによる被害が発生する可能性があります。
クラック、配管や配線部分、水抜き穴、セパレータなどの隙間からシロアリは侵入します。
また、羽アリが基礎を伝って侵入する可能性も考えられます。
そのため、定期的に床下空間部分のコンクリートや床下の木材などに薬剤処理をする必要があります。
無理に隙間を塞ぐと湿気を溜めることになり逆にシロアリを呼び寄せてしまう危険性があるので注意が必要です。
ベタ基礎の構造と材質
ベタ基礎は一般的に、シロアリなどの害虫に強いと言われています。その理由は構造にあります。
ベタ基礎は、地面の上へ砕石を敷き、防湿シートで覆ってその上へ生コンクリートと鉄筋を施工していきます。
地面と建物をコンクリートで遮断するため、シロアリなどの害虫の侵入を防ぎやすいと言われております。
しかし、地面と建物が完全に遮断されているわけではありません。
クラックや水抜き穴、基礎の枠組みを設置する際に用いられるセパレータと呼ばれる継ぎ目の部分のわずかな隙間からも
シロアリは侵入してきます。ベタ基礎だからと言ってシロアリが来ない保証はないです。